田中構造設計問題 フェリス小笹 裁判(旧アイズ小笹 福岡市中央区小笹1-5 建築主;田中構造設計/田中忍社長 ), ホームページ裁判
フェリス小笹問題
How is Feliz Ozasa’s Trouble going ?
 フェリス小笹 建設問題
建築工事差止請求事件裁判第口頭弁論
 

2021年11月25日に福岡地方裁判所口頭弁論にて原告住民が読み上げた意見陳述書の内容を紹介します。
 
令和3年(ワ)第3166号 建築工事差止請求事件
令和3年(ワ)第3565号 建築工事差止請求事件
原告 クレスト小笹管理組合 他23名
被告 株式会社田中構造設計
 

原告住民意見陳述書①
 

1 日照について
私たちの住むマンション「クレスト小笹」は平成7年10月に建築されました。私は、当初から居住しております。南西側に4階建てビルがあるものの、南東側は2階建ての個人宅があるのみで、明るい陽射しと素晴らしい眺望を長年享受してきました。
ところが昨年末、突然その南東側の個人宅が壊され、11階建ての賃貸マンションの建築計画が示されました。
昨年末と年明けに説明会があり、田中構造設計(以下「被告」といいます。)は、日照被害について確認したところ、クレスト小笹は近隣商業地域にあるため日影規制はなく、東側、南側の住居地域に配慮した結果、クレスト小笹側に目一杯寄せた計画(離隔は1.5ⅿ)となっているとの説明に終始しました。
別の計画案がないか尋ねても、事業性を考え、容積率をフル活用する計画で、建物を低くしたり南東側に移動させると住居地域に影響が出るため、他の案はないとの一点張りでした。
今年3月には、福岡市職員も参加した住民説明会が開催されました。その中で、被告は、クレスト小笹も26年前の建築の際に北側の住民に同じような迷惑をかけているが、法律で認められたから建てている、こちらも同じように建てる権利がある、自分たちは目一杯で建てていて新しく建てる側に配慮を求めるな、権利の侵害だと言われました。
私たちが住むクレスト小笹が建った時に北側東側の民家の方に影を落とし
迷惑をかけたのは事実だと思います。しかしながら、今回私たちの住むマンションに対しては、僅か1.5ⅿの先に南側にベランダを全て塞ぐ形で建築されるわけです。クレスト小笹に住む18世帯の住民においては、これまで一日中陽射しが入り、中学校や公園、満開の桜並木などが見えていたベランダは塞がれ、一日中薄暗い中で生活しなければならないという状況になる訳です。その圧迫感・閉塞感は、以前に北側東側の民家の方が感じたものとは全く違うと思います。
下の写真は、クレスト小笹のとある居室の南側ベランダから撮影したものです。今年9月の写真では、空も緑もよく見えてとても開放的です。ところが、10月になると、目の前には防音シートしか見えません。この写真だけでも圧迫感・閉塞感を感じていただけると思います。

   

確かに、道路を挟んだ東側・南側は住居地域です。逆に言えば、ここは近隣商業地域の一番端の角なのです。被告から、近隣商業地域に家を買ったら将来のことを考慮するべきだった、というようなことを言われましたが、私たちは建築されたクレスト小笹の居室を購入しただけですし、26年前に今のマンションを購入するときにそういうことを気にして買う人がいるでしょうか?小学校・中学校から歩いて10分、公園も近く明るい陽射しが降り注ぐマンションとして購入し、最近までそれを享受できていたのです。
私たちは、何ら住居地域と変わらない生活を過ごしてきたのです。それが、近隣商業地域にある、建築基準法はクリアしているということだけで、北側の私たちのマンションに対しては境界線から1.5ⅿ離隔のみで、その他の配慮は全く無く、これまでの私たちの健全で良好な生活を奪ってしまっても何も問題はないのでしょうか?
住民説明会の時に、どなたかが「いやならば引っ越せばよい」と発言したという話も聞きました。クレスト小笹は分譲マンションで、今回建築されている賃貸マンションとは違います。私も含めて高齢者も多く、簡単に引っ越すなど出来るわけがありません。せめて、新しい建物をもう1~2m南側に移動し、高さも低く建築することは十分可能なはずですが、事業性や東側の住居地域へ配慮して今の形しかないと全く私たちの声に耳を傾ける姿勢はありませんでした。田中構造設計は、自分が利益を上げることだけしか考えていません。
裁判官の皆さんも、今住んでおられる住居の目前に高層マンションが建ち、陽は差し込まず、一日中薄暗い生活を強いられることを想像してみてください。私たちの窮状を是非とも救っていただけないでしょうか?
 
2 擁壁について
また、クレスト小笹との境界には、被告側土地に古い石積みの擁壁があります。この擁壁についても、60年ほど前の古いもので建築工事の影響で壊れる恐れがないか尋ねると、擁壁には側圧をかけない工法で行うので全く問題ないと言い切りました。しかし、実際には工事で地盤改良材のクレスト小笹敷地への流出がおき、擁壁のふくらみや亀裂が生じ、埋め込まれたモルタルや、擁壁上のブロック塀の破片がクレスト小笹側の駐車場に落下し、更にクレスト小笹の側溝に隙間ができるなどの被害が発生しました。このままでは、擁壁が崩落するおそれがあることは誰が見ても否定できないはずです。
しかしながら、田中社長は未だにこの事実を認めず、写真でそう見えるだけなどと主張しています。一方で、今現地を訪れてもそのふくらんだ擁壁が見えないように、擁壁全体をシートで覆い隠しています。擁壁上のブロックがはらんだ所を直すためと言っているようですが、工事担当者が、危険性を認めたうえでの処置と思われます。
私たちはこの擁壁が今にも崩れてくるのではないかと不安な毎日を送って
います。擁壁が壊れて私たち住民の生命・身体、財産に被害が生じる前に、すぐに工事を中断して、擁壁をやり替えることを切に希望します。
 
3 この裁判に至るまで
今回、この意見陳述をするに当たって、改めて今までのことを考えてみました。
被告は、最初2回の住民説明会で全く私たち住民の要望に聞く耳を持っていなかったこと。説明会で議事録の内容を確認したうえで事前説明報告書を提出すると約束したことを破って勝手に提出したこと。それを詫びて一旦取り下げた後、住民参加ゼロの説明会を開催して、再度事前説明報告書を提出し、福岡市も書類の不備の有無のみで受け付けたこと。その後、説明会の開催を求めても、工事担当者のみが出席して、工事着工の挨拶とのみ発言し、住民に約束した説明や事前の家屋調査は実施しないまま工事に着工したこと。
住民は福岡市議会に2400名以上の署名を集め、福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例に従って、日照・通風や住宅環境に及ぼす影響を考慮した計画に変更するよう求めて請願審査提出し、本年5月17日の福祉・都市委員会で採択とはならなかったものの「継続審議」となったこと。
さらに、6月17日に建築差し止めの仮処分申立をしたこと。
私たちは、同じ福岡市内に住み、会社もある被告が、当初の住民説明会から、福岡市の請願審査、仮処分申立と私たち住民が行動を起こした中で、改めて住民と向き合い、少しでも住民の立場に立って計画を見直してくれることを期待していました。
しかしながら、私たちが仮処分の申し立てをしても工事を中断することはありませんでした。むしろ、早く建ててしまおうと言わんばかりに今も工事を急ピッチで進めています。また、未だに工事が原因で発生した擁壁のはらみ出しなどの事実さえも認めないという態度を続けていることには本当に憤りを感じます。これからも福岡市の地場企業として活躍していくつもりであれば、もう少し住民に寄り添っていただけないでしょうか。
仮処分では、裁判官から、擁壁の補修についてだけでも仮処分の中で和解することはできないかとのご提案をいただきました。私たち住民は早急に擁壁だけでも補修していただきたいので、和解に対して前向きな回答をしました。ところが、先日の審尋期日では、裁判官が30分以上、田中社長たちを説得されたようですが、田中社長たちが頑なに補修を拒絶しつづけたため、和解は実現することはありませんでした。
 
4 被告からの口封じ裁判
また、私たちは、多くの市民の方々にこの問題を知ってもらうべく、被告の住民説明会における説明内容や請願審査の件、そして仮処分での経過をインターネット上のブログで公表しているのですが、被告は住民のおひとりに対して、このブログが被告の名誉を棄損するなどとして裁判を起こしています。
被告が起こした裁判の目的は、私たち住民の広報活動に圧力をかけるためだと確信しています。被告は、裁判を起こせばブログでの広報活動が止まる、縮小する、口封じができると思っておられるのかもしれませんが、言論弾圧も甚だしいですし、こんな卑怯な圧力に私たちが屈するはずもありません。この裁判と同じく、住民全員で団結して毅然と戦うまでです。

以上

 
田中構造設計の問題点は報道系のネットニュースでも見ることができます。
LinkIcon Net IB News①田中構造設計が住民無視、住民は仮処分申立て
LinkIcon Net IB News②反対住民は福岡市議会に請願を提出
LinkIcon Net IB News③工事の影響で境界部分の石積み擁壁が膨らむ
LinkIcon Net IB News④通学路にもお構いなしの強引な工事
LinkIcon Net IB News⑤「アイズ小笹(フェリス小笹に改称)」への回答
LinkIcon Net IB News⑥工事の影響で隣接マンションの価値下落の恐れ
LinkIcon Net IB News⑦田中構造設計社長の元上司・仲盛昭二氏に聞く
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