この度、【第一審】に続いて【第二審】でも「棄却」の判決が出た、このホームページ裁判と並行して進められてきたもう一つの裁判についてご紹介します。
その裁判は、田中構造設計の社長である田中忍氏本人が、私たち住民に対して起こしていた損害賠償の裁判です。
その裁判の中で、田中忍社長は、フェリス小笹の建設工事によって石垣(擁壁)のモルタルを隣地であるクレスト小笹の敷地に散乱させているにもかかわらず、私たちクレスト小笹の住民がモルタルを剥がしたと言いがかりをつけ、その補修費用や防犯カメラの設置費用などを請求していました。
【第一審】は、公開の法廷ではなく、主にウェブ会議(※ 1) で進められ、田中忍社長は、このような裁判を自ら起こしたにもかかわらず、私たちが擁壁を破損させたという証拠をほとんど何一つ提出せず、本人尋問の期日にも、私たちの弁護士からの反対尋問を恐れて出頭しませんでした。第一審裁判はそのまま結審となり、2022年11月16日に福岡地方裁判所が「棄却」と結論づけしました。
【 ※1 ウェブ会議とは 】裁判所と原告、被告の各弁護士事務所をITツールを活用して映像でつなぎ、会議形式で争点整理を行うもの
【第二審】田中忍社長はこれを不服とし、福岡高等裁判所に控訴していました。2023年3月1日の第1回口頭弁論期日では、裁判所から和解の提案もありましたが、結局田中忍社長側はこれに応じず、福岡高等裁判所は4月14日に、第一審と同じ「棄却」の判決を下しました。振り返ってみると、自ら裁判を起こしておきながら積極的な立証に乏しく、ただ私たち住民を苦しめるためだけに起こした裁判だったと感じます。
田中構造設計(社長/田中忍)の代理人弁護士より、このホームページが名誉棄損であるなどとして、1000万円もの損害賠償を求める裁判が提起されました。田中構造設計は、私たちの要望や福岡市の指導に誠実に答えないだけでなく、工事中も周辺住民に様々な迷惑をかけているにも関わらず、自分たちの利益を優先してこの裁判を起こしました。
訴状から推測すると、田中構造設計は「アイズ小笹( フェリス小笹 に改称)」を建設し、完成後にはこの建物を5億円で売却するつもりのようです。田中構造設計は、「アイズ小笹( フェリス小笹 に改称)」を売却して、その後建物や土地に何が起きても知らぬふりをするのではないかと、私たちは恐れています。私たち「クレスト小笹」との境界石垣には誰が見てもわかるヒビ割れや変形(大きなはらみ)が、既に、現れていますが、田中構造設計は、未だ認めようとしません。
2021年12月27日 福岡地方裁判所901号法廷において、このホームページが名誉毀損だとして田中構造設計が訴えた、損害賠償裁判の第1回口頭弁論の期日が行われました。原告の田中構造設計側からは瀬戸伸一弁護士1名のみが出廷したのに対して、我が方はホームページ管理者の他、弁護士4名、傍聴席は満席、10名以上の傍聴希望者が入場できないという、圧倒的な応援の中で始まりました。傍聴席には、クレスト小笹住民、福岡市議会議員、報道関係者、建設関係者、大学教授、医学関係者、民生委員、何より表現を生業とする芸術関係者、被告とされるホームページ管理者の友人、家族でギッシリと埋まりました。
裁判長からは、請求原因の特定が不十分であるとし、「指摘しているのは事実であるのか、意見・論評であるのかを区別して、それがいかなる意味で原告の社会的評価を下げるのかを説明するよう」原告(田中構造設計)代理人の瀬戸伸一弁護士に対し要請がなされました。瀬戸弁護士は、2月4日までにこれを行うことを約束しました。
2022年3月14日 この裁判の第2回口頭弁論が行われました。前回に続いて傍聴席は満席、全員が被告側の傍聴人で、原告=田中構造設計側の傍聴人はゼロ、代理人弁護士瀬戸伸一氏がひとりで法廷に臨みました。被告代理人弁護士甫守一樹氏の口頭陳述が圧巻でした。ぜひご一読ください!
裁判長より田中構造設計側に証拠の提出が求められ、瀬戸伸一弁護士は4月14日までの提出を約束しました。
2022年4月25日 田中構造設計がこのホームページを訴えた、通称「ホームページ裁判」の口頭弁論が福岡地方裁判所901号法廷で行われました。傍聴席は福岡市中央区小笹地区の住民や福岡市議会議員、建設関係者、芸術関係者、被告人の友人・家族などで満席となりました。今回は、どの裁判にも出廷したことがなかった原告田中構造設計の田中忍社長が初めて出廷し、裁判長から、瀬戸伸一弁護士が提出した資料に間違えがあったことが指摘され、瀬戸弁護士は修正して再提出をすることを求められました。我が方は、花田弘美弁護士より「この裁判がスラップ裁判である」と言う口頭陳述が述べられました。(続きを読む)
【解説】スラップ裁判とは・・・
公に意見を表明したり、請願・陳述や提訴を起こしたり、政府・自治体の対応を求めて動いたりした人々を黙らせ、威圧し、苦痛を与えることを目的として起こされる報復的な民事訴訟
2023年4月27日、福岡地方裁判所901号法廷で私たちのホームページ裁判の第1審の判決が出ました。田中構造設計から名誉棄損と主張されていたほとんどの項目について田中構造設計の言い分は排斥されましたが、残念ながら一部の項目について名誉毀損との認定がなされ、私たちに27万5千円の損害賠償が命じられました(田中構造設計の請求額は1430万円)。
私たちがこのホームページに記載している情報は紛れもない事実です。にもかかわらず田中構造設計が主張する些末な表現方法の問題を重箱の隅をつつくように取り上げて、田中構造設計による数々の約束違反や住民無視のマンション建設といったこの問題の本質や、このホームページの更新の手を止めたいというこの裁判の意図するところを一切考慮することなく、極めて安易に、しかも私たち一般人にはとても理解できない不可解な判断基準によって名誉棄損を認めるような第1審の判決は到底受け容れることはできません。
この第1審判決に対しては、すでに双方より控訴の手続きが取られており、今後は福岡高等裁判所で争われることとなります。引き続きのご支援を宜しくお願い致します。私たち一般人には非常に理解しにくい文章ですが、判決文をご紹介します。
判決文はこちら➡LINK(準備中)
この判決を受けて【福岡・住環境を守る会】が声明文を発表しました。
FACE BOOKで声明文を閲覧できます▶︎LINK 4月27日の項をご覧ください!
❶アイズ小笹( フェリス小笹 に改称)工事差し止め仮処分裁判経過
10月19日の仮処分裁判の審尋期日で、アイズ小笹(改称フェリス小笹)擁壁の倒壊に対する住民の皆さんの不安は理解できるとして、この点だけでも仮処分裁判で解決できないかと言う提案が裁判官から出されました。11月22日の審尋期日では、クレスト小笹側がこれを受け入れたのに対し、田中構造設計田中忍社長は、約30分に渡る裁判官の説得にも応じず、和解に応じることを拒否しました。田中構造設計の、自分たちの利益だけを考えて、地域住民や地域の環境を考えない姿勢が露呈したと思います。
❷アイズ小笹(フェリス小笹 へ改称)工事差し止め本裁判経過
11月25日、福岡地方裁判所901号法廷で「建築工事差止請求事件」本裁判・第1回口頭弁論が行われました。法廷には20名以上の住民や支援者が傍聴に訪れましたが、被告側(田中構造設計)は代理人のみの出席で田中忍社長ほか当事者の姿は見えませんでした。今後の本裁判の進め方について、原告ら住民は当事者が多数で住民の関心も高い事件であるため公開法廷で進めるべきとの意見を述べましたが、被告側(田中構造設計)代理人は非公開のウェブ方式を希望しました。3名の裁判官の評議の結果、次回以降の審理も公開法廷で開催されることになりました。その後、2月7日と3月28日に口頭弁論が開かれ、原告側住民は傍聴席から多くの応援を受けて、工事の差し止めを強く訴えました。
5月26日、福岡地方裁判所901号法廷で「建築工事差止請求事件」本裁判・第4回法廷が行われました。法廷には多くの支援者が傍聴に訪れましたが、被告側は代理人のみの出席のようで田中構造設計の田中忍社長ほか当事者の姿をこれまでにこの裁判では見かけていません。4月にフェリス小笹(旧アイズ小笹)が竣工した事実を踏まえ、原告の要求はフェリス小笹建物そのものの撤去に変更されました。残念ながら住民側の意見陳述は被告代理人が強く拒否したため、読み上げることができず、次回期日へ持ち越されました。
❹前回被告代理人に拒否された原告側の意見陳述が述べられる!
9月26日、福岡地方裁判所901号法廷で「建築工事差止請求事件」本裁判・第5回法廷が行われました。前回、被告代理人によって拒否された住民側の意見陳述が述べられました。
原告住民意見陳述④
(次回法廷期日は進行協議のみになるため傍聴ができません。(公開法廷期日が決まりましたら、このページに記載します。)
ブロック塀も石垣も崩落寸前に見えます!?(2021.0723)