田中構造設計問題 フェリス小笹 裁判(旧アイズ小笹 福岡市中央区小笹1-5 建築主;田中構造設計/田中忍社長 ), ホームページ裁判
フェリス小笹問題
How is Feliz Ozasa’s Trouble going ?
 フェリス小笹 建設問題
建築工事差止請求事件裁判第口頭弁論
 

2022年2月7日に福岡地方裁判所口頭弁論にて原告住民が読み上げた意見陳述書の内容を紹介します。
 
令和3年(ワ)第3166号 建築工事差止請求事件
令和3年(ワ)第3565号 建築工事差止請求事件
原告 クレスト小笹管理組合 他23名
被告 株式会社田中構造設計
 

原告住民意見陳述書②
 

1 建築主(田中構造設計)の対応
私たちが住むクレスト小笹は、日の出から日没まで、ほぼ終日にわたって日照を享受することができる、素晴らしい住環境を有していました。
その様ななか突然、田中構造設計から住民に伝えられたのが、クレスト小笹との敷地境界ぎりぎりに計画された「アイズ小笹」の建築計画です。
令和2年12月に「福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例」(以下「条例」という。)に基づく第1回住民説明会が開催され、その後も数回の住民説明会が開催されましたが、田中構造設計は説明会で住民が指摘した問題を解決しようともせず、さらに、住民と交わした約束を一切守らず、強引に建築工事を進めています。
私たちが最も問題視したのは、クレスト小笹とアイズ小笹との間隔です。説明会で知らされた、アイズ小笹エレベーター壁面は境界から1.5m離しているとの説明に対し、建物形状の見直しや南側への移動によるクレスト小笹との間隔の確保を求めましたが、田中構造設計は何ら改善策も示さず、周辺の居住環境に十分に配慮しなければならないと規定されている、条例(7条)による建築主の責務を履行しないまま工事に着手しました。また、敷地境界にある石積擁壁については、アイズ小笹完成後のみではなく工事中の影響についても十分な検討を求めましたが、影響は無いとの発言に終始し明確な説明もなされていません。石積擁壁は私たち住民が指摘、危惧していたとおり、工事によりはらみ出しや亀裂が生じ、擁壁等から剥がれ落ちたがれきがクレスト小笹の敷地に散乱しています。
田中構造設計は説明会での住民との約束を反故にしてきました。例えば、「家屋の事前調査が必要な方は別途調査する」と約束しましたが、第1回説明会前の令和2年11月に行った、地上から見える範囲の外見のみの調査をもって「家屋調査は実施済み」と一方的に言い出し、現在に至っても、家屋の事前調査を行っていません。また、図面での石積擁壁や基礎、仮設等の詳細な説明を住民が求めたのに対し、「わかりました。説明してほしいと言うことであれば当然、説明する。図面は許可がでれば見せることは可能」と約束しましたが、「図面は福岡市に開示請求して確認してほしい。会社としては出せない」と手のひらを返し、未だに基礎構造や石積擁壁等の図面での説明はなされていません。さらに、令和3年3月7日(日)の説明会で田中社長が、「日程調整し、都合が合えば説明に伺う」と約束したことを受け、今までと同様に住民参加が容易な土日での次回説明会の開催を求めたところ、「土日は会社が休みでお受けできない。平日の営業日であれば調整する」と説明会を拒むかの様に土日開催を拒否したため、やむを得ず平日の4月12日(月)に開催することとなりました。説明会に向けた事前調整では、日影時間や基礎部の構造、擁壁の安全性、家屋の事前調査などの説明を求めると、田中構造設計に伝え確認していましたが、説明会に田中構造設計からは工事担当者2名のみしか参加せず、「今回は工事着工の挨拶として伺った」と、今までの約束全てを反故にする暴挙にでました。当然、住民側は納得できず、その後も説明会開催を田中構造設計に強く求めましたが、「説明会は会社としては今後行わない。聞きたいことがあれば個別に会社に来ていただければ対応する。集団での対応は受け付けない」と、田中社長自ら約束した説明会の開催を拒否し続けています。
これらは田中構造設計の対応の一部ですが、これだけでも、田中構造設計の理不尽極まりない対応が見て取れると思います。
 
2 光を奪われた住民生活
説明会で田中構造設計は、日影の時間を間違った日影図で住民に説明しましたが、住民側の指摘で2度も図面を修正し、ようやくアイズ小笹建築によってクレスト小笹の南側からの日照がほぼゼロになることを認めました。しかし田中構造設計は、クレスト小笹が近隣商業地域内であることを楯に、条例にある周辺への居住環境の配慮を行わず、昨年4月20日に一方的に工事に着手しました。
日が当たらないということがどの様なものなのか。それはクレスト小笹の住民にしかわかりません。私は東側と南側に面している部屋に住んでいますが、終日にわたって太陽の光が射す明るく温もりのある環境でした。しかし、工事により環境は一変し、夜が明けたのかさえも気づかないほど、南側の子供部屋と南側ベランダ横の部屋は、一日中、日の当たらない薄暗い空間に変わり果てました。当然、南側ベランダに洗濯物を干しても乾きません。さらに、東側から明るい光が入っていたリビングも、アイズ小笹が東側に迫り出している関係で、朝の早い時間から日差しが入らなくなり、東側ベランダに干してある洗濯物も乾かず、夕方からは、東側と南側ベランダに干していた洗濯物を部屋の中で除湿器を用いて乾かす毎日です。またリビングも含め日中でも蛍光灯を付けざるを得ない日が続いています。
環境が著しく低下した中での住民の心労、負担は想像をはるかに超えています。例え、クレスト小笹が近隣商業地域にある建物だとしても、田中構造設計は、平穏に暮らしていた周辺住民の居住環境に配慮する責務があるのではないでしょうか。それこそが条例の精神だと思います。
 
3 擁壁崩壊への不安
もう一つの大きな問題は、クレスト小笹との敷地境界にある田中構造設計が所有する石積擁壁です。工事の影響によって石積擁壁にはらみ出しや亀裂が生じ、住民は崩壊の不安を抱えながら生活しています。
石積擁壁付近の地盤改良を行っていた、昨年5月19日のお昼前ぐらいからはらみ出しや亀裂が生じ始めたことは、住民が日々撮影していた写真で確認出来ます。建築禁止を求めた仮処分においても、はらみ出しや亀裂の事実を証拠資料を添えて訴えてきましたが、田中構造設計は「ふくらみは生じていない。擁壁の写真の撮り方で見え方が違う。写真撮影の角度によって天端ラインが動く」「クラックは生じていない。目地モルタルが剥がれて隙間が生じているにすぎない」などと、理に適わない反論で未だに事実を認めようとしません。現地の石積擁壁を見れば住民が訴えている事実を確認出来ますが、田中社長は現地確認を拒み、裁判官立会の現地進行協議を行うことは叶いませんでした。田中社長は現地確認の状況をブログで酷評されるとの見解で現地進行協議を拒否しましたが、私たち住民は、はらみ出しや亀裂の事実を認めざるを得なくなるため、現地進行協議を拒んだものと確信しています。
石積擁壁に対する私たち住民の求めは、危険を取り除き安心した生活ができるようにしてほしいということです。そのためには早急に工事を一時中止し、擁壁の再構築を行うことが不可欠です。
現在、石積擁壁の前面はシートで覆われ、以前のように住民の自衛としての監視は出来ない状況ですが、シートを一時的に剥がして、はらみ出しや亀裂の状況を確認することは可能だと思います。今回の裁判においては、現地をご確認くださいますようお願いいたします。
 
4 住民への田中構造設計による攻撃
アイズ小笹の建築は、クレスト小笹管理組合としても広く一般に問題を伝えるため、ホームページによる情報発信を行ってきました。内容は全て事実に基づくもので、代理人弁護士の事前確認を得て掲載してきましたが、田中構造設計はホームページを管理しているクレスト小笹1人の住民に対し、虚偽記載による名誉棄損にあたるとして1000万円もの損害賠償請求の訴訟を起こしています。また、建築禁止仮処分命令申立において、クレスト小笹管理組合として住民が行った石積擁壁の内部構造の調査に対し、擁壁のモルタルを剥がし不法に調査を行ったとして、私も含め2人の住民に損害賠償請求の訴訟を起こしています。当然、私たち住民が石積擁壁のモルタルを剥がした事実はなく、田中構造設計は自らの工事の影響で生じさせたモルタルの剥がれを、住民が剥がしたとして訴えています。
さらに、クレスト小笹敷地にコンクリートの破片等が飛散した原因を、クレスト小笹のエントランスで現場担当者から説明を受けていたところ、他の担当者が住民側にスマホを向け撮影を始めたため、私がその担当者に撮影しないよう注意しました。ところがその担当者は、私から暴力を受けたと警察に被害届を出し、私も警察から取り調べを受けましたが、私が暴力を振るった事実はなく、防犯カメラの映像等により立件には至りませんでした。田中構造設計は建築禁止仮処分命令申立事件の準備書面で「債権者から打撲と診断される暴行を受けた。これは到底許すことのできない行為」と述べていますが、無実の人間を冤罪で陥れようとした田中構造設計側の行為こそが違法であり、人として許されざる暴挙ではないでしょうか。
田中構造設計は、正当な情報発信や住民行動等に対し、事実をねじ曲げ様々な攻撃をクレスト小笹の住民に仕掛けてきていますが、この様な暴挙に屈することなく住民団結して戦う覚悟です。
 
5 終わりに
裁判中でもアイズ小笹の工事は着実に進められていますが、私たち住民はこのまま泣き寝入りするわけにはいきません。
田中構造設計は「擁壁の倒壊という危険性は存しない」と反論していますが、石積擁壁の現場を直接確認していない被告が、何故、危険性は無いと言えるのでしょうか。また、「受忍限度を超える日照阻害等があるとは認められない」と反論していますが、暗くなった空間で生活もしていない被告が述べること自体、何の根拠もない空論にすぎません。日照被害はそこに住んでいる住民にしかわからない問題です。
今回のアイズ小笹の建築は、クレスト小笹だけの問題ではありません。田中構造設計による、第二第三のクレスト小笹を出さないためにも、法のもと、理にかない、情にかなった判決が出されるようお願いいたします。

以上

 
田中構造設計の問題点は報道系のネットニュースでも見ることができます。
LinkIcon Net IB News①田中構造設計が住民無視、住民は仮処分申立て
LinkIcon Net IB News②反対住民は福岡市議会に請願を提出
LinkIcon Net IB News③工事の影響で境界部分の石積み擁壁が膨らむ
LinkIcon Net IB News④通学路にもお構いなしの強引な工事
LinkIcon Net IB News⑤「アイズ小笹(フェリス小笹に改称)」への回答
LinkIcon Net IB News⑥工事の影響で隣接マンションの価値下落の恐れ
LinkIcon Net IB News⑦田中構造設計社長の元上司・仲盛昭二氏に聞く
LinkIcon Net IB News⑧田中構造設計社長の実務経験を仲盛氏が語る
LinkIcon Net IB News映像⑨ニュース映像がYouTubeで見られます!